エピソード

事件は、だいたい名前から始まる。

彼女は、何もしていないのに期待され、 断っているのに任され、逃げているのに才能だと誤解されます。 名前はスポーツ。事件は、だいたいそこから始まります。

第1話

最初の問題は、自己紹介でした。

物語は、転校初日の教室から始まります。 黒板の前に立った彼女は、ふつうに名前を言っただけでした。

けれど「スポーツです」という一言で、空気は変わります。 誰かが小さく「え?」と言い、体育の先生が遠くからなぜか反応し、 教室の後ろでは、すでに球技大会の話が始まっていました。

「名前を言っただけなのに、なぜチーム分けの話になっているの?」

ホイッスルとボールを前に困っているスポーツ
校庭で偶然キャプテンになるスポーツ
くり返す笑い

本人の意志より、期待が速い。

彼女は普通に行動します。周囲がそれを大げさに受け取ります。 コーチ先生が意味を与えます。ミナが記録します。犬が何かを持って逃げます。

そして最後に、彼女は少し疲れながらも、なぜか前より強くなっています。 それは運動能力ではなく、自分の名前と付き合う力です。

物語の地図

五話で見える、スポーツの世界

最初の五話は、作品の基本ルールを見せる入口です。 名前、期待、友情、犬、そして祖母。 すべての原因が、少しずつ明らかになります。

1

名前が火をつける

「スポーツ」という名前が、周囲の想像力を勝手に走らせます。

2

善意が暴走する

先生も友だちも悪気はありません。だからこそ、逃げ場がありません。

3

本人が少し成長する

勝たなくてもいい。ちゃんと困って、ちゃんと笑えたら、それも勝利です。

次へ

では、第1話へ。

すべては、教室の黒板の前から始まります。 転校生の自己紹介。 先生の笑顔。 クラスメイトの沈黙。 そして、ひとつの名前。

スポーツはまだ知りません。 その名前が、これから毎日を少しだけ面倒で、かなり面白くすることを。

スポーツという名前の女の子のコメディポスター